スペシャル座談会

長尾台診療所 居宅介護支援センター(居宅介護支援事業所)には3名のケアマネージャーが在籍しています。地域のみなさまのケアプラン(介護サービス計画書)を作成し、各種介護サービスを受ける際に重要な役割を果たすケアマネージャーの仕事について、田中院長を交えて当センターのケアマネージャー達に語ってもらいました。

大切なのは、ご本人様とご家族様の思いに寄り添ったプラン作り

山田

居宅介護支援センターでは、介護にお困りのご本人様やご家族様からご相談を受けて、介護保険を適用するためのケアプランを立てさせていただいています。
まず最初に、必ずご本人様のご自宅に伺って、ご本人様やご家族様と直接お話しをさせていただきます。そうするとご本人様の身体状況だけでなく、生活状況や経済的な状況など、いろいろなことがわかります。

院長

ご本人様に最適で一番コスパの高い方法を考えるために経済状況を把握するのはとても大切ですね。
実は私も、ケアマネージャーの資格を持ってるんです

山田

ですから居宅介護支援センターの仕事は、観察力がとても大切です。ご家族様のご支援の状況はいろいろで、例えば精神的にサポートされているご家族様もいらっしゃれば、直接家事を手伝っておられるご家族様もいらっしゃいます。

河田

例えば娘さんがとっても優しくて協力的で、ご本人様とも仲が良いというケースであれば、娘さんのご協力をプランの中に織り込んで考えることもできます。娘さんと連絡が取れれば、介護サービスについてのご相談もとてもやりやすくなります。

山田

緊急の時には、長尾台診療所 デイケアセンターの場合はドクターがいるので安心なのですが、それでもご家族様とご相談をしなければケアマネージャーだけでは判断がつかないこともたくさんあるんです。
ですからご家族様が介護に無関心な場合は、孫娘さんや親戚の方にご相談することになります。

松本

身体状況についていえば、生活の中でご本人様は困っていないと思っていても、ご家族様はとても困っていることがあったりするんです

院長

そうそう、例えば「一人ではおふろに入れないので、家で入浴サポートをしてほしい」とか「入浴施設を利用したい」とか。

松本

認知症の方のご家族様で、「昼間は働きに出なければならないんだけれど、デイケアを利用した方がいいですか、施設に入所した方がよいですか」といったご相談もあります。

院長

お昼ご飯が作れないだけの問題であれば、配食サービスを利用することもできるし、ヘルパーさんにも頼めるし、提携センターを利用するという手もありますね。

河田

ですから最初にお話を伺って、アセスメントといって課題分析をさせていただくのですが、最初はなかなか様子がわからないこともあります。

院長

やっぱり打ち解けて何でもお話していただけるようにならないと、課題も見えてこないですね。診療と一緒ですね。

松本

介護プランを立てるときに一番大切なのは、ご本人様とご家族様の思いに寄り添ったプランにすることだと思います。

院長

ご本人様の、お風呂に入りたいとか、頭を洗いたいとか、歩きたいとか、足の爪を切ってほしいとか、食事を自分で食べられるようになりたいとか、そういった希望に的確にお応えすることが重要ですね。

山田

最初はなかなかお話していただけなくても、ご相談に来られるということは、何かご希望があるはずですから、何にお困りでどうしたいと思っておられるのかをお伺いして、その必要性をケアマネージャーの専門的な見地から判断して介護保険でカバーできるかどうか考えながらケアプランを立てて行きます。

長尾台診療所の医師と緊密に連絡

山田

ムリなご相談もありますね。例えば「家族で旅行に行くので、その間にヘルパーさんに来てもらって犬の散歩をしてもらってほしい」などといったご希望にはそえません。あくまで介護保険ですから

松本

そのほかにも大掃除とか、植木の水やりなどはだめなんです。介護保険の範囲で本当に必要なことだけをプランとして取り入れます。何でもできるわけじゃありません。

河田

それからご本人様は「デイケアセンターを利用したい」と思っておられても、ご家族様は「ショートステイを利用してほしい」と思っているようなケースもあります。ご支援されているご家族様の経済的な問題も絡んできます。でもご本人様が、「施設は絶対に利用したくない」というようなケースもあって非常に困ります。

院長

医療的な見地からいえば、寝たきりになったり、筋力が落ちてしまったような方は、リハビリを利用した方がいいと思いますね。

松本

長尾台診療所にかかっておられる患者様で、本当は先生に相談したかったんだけれど、遠慮して言えなかったことがあった場合に、私たちは院長先生に「患者さんからこんなことを聞いていますが」とか、「こんな薬を出してほしいとおっしゃってます」といったご要望の中継をすることもあります。

院長

そういう場合は、僕はなるべく患者様のご希望にお応えする様にしていますね。
逆に長尾台診療所の患者様で、長尾台診療所 デイケアセンターをご利用になりたい方の場合は、私に言っていただければ、私からすぐに居宅介護支援センターのケアマネージャーに連絡して手続きをしてもらうようにしています。私の方で「要介護認定が必要」と判断した場合も、こちらの居宅介護支援センターのケアマネージャーさんに申請してもらいます。

山田

長尾台診療所とのそうした連係が緊密に取れていて、ドクターの意見もそのまま介護プランに取り入れられることも、とても私たちにとってはありがたいことです。
なぜなら、医療系のサービスを使うときには必ずドクターのコメントが必要だからです。介護ベッドを借りられるのは要介護2の人からです。そのためには主治医意見書が必要になります。院長先生は私たちケアマネージャーの意見も取り入れて意見書を書いてくださいますから、スムーズに進めることができます。

デイケアサービスも在宅医療も

松本

それから大病院に入院して治療を受けておられたのですが、症状が安定してきたためご自宅に帰られて、在宅医療を始められる場合、居宅介護支援センターのケアマネージャーがケアプランを立てるわけですが、その時には在宅医療の主治医が必要になります。ソーシャルワーカーさんや地域包括支援センターから、私たちケアマネージャーに「患者様が退院されて在宅医療を希望されておられます」との連絡が入りましたら、私たちは患者様と面談させて頂いて直接お話を伺いつつ、その方にとって最適な在宅医療の計画を立てていきます。また、同時に介護サービスをきちんとご提供できるよう、介護サービス事業者と連絡を取りつつ、患者様が安心してご自宅で生活が出来るような環境を整えます。
ご家族様は、退院後のことをどうすればよいのかわからなくて戸惑われる方が多いようですが、居宅介護支援センターの方でデイケアサービスの利用や介護機器のレンタルをお勧めしています。ご利用者様もそれをきっかけにしてデイケアセンターを利用していただくことも多いです。
長尾台診療所 デイケアセンターをご利用になられて、結果として「いろいろな人と出会えて本当に楽しい」「こんなに楽しいとは思わなかった」というお声をいただいています。

河田

がん末期の方で在宅医療を希望される場合も、長尾台診療所にはドクターがいますし、ドクターとデイケアセンター・居宅介護支援センターの連絡がよくとれていますから、長尾台診療所 居宅介護支援センターにご相談いただくケースも少なくありません。

院長

私が往診もしますし、最期まで看取らせていただくケースもあります。

松本

私たち居宅介護支援センター ケアマネージャーも、長尾台診療所の先生がいらっしゃるので、すごく安心できます。親切にアドバイスしていただけるだけでなく、何かがあったときには走り回ってくださいますから。

認知症や胃瘻が改善することも

院長

それから医師の立場から言わせてもらいますと、デイケアサービスを利用している認知症の患者様は、デイケアの利用で認知症の症状が顕著に改善されるケースがありますね。

松本

それはみんなで刺激的な時間を共有しているからでしょうね。
長尾台診療所 デイケアセンターは、認知症の集中リハビリテーション施設としての認定も受けています。ここはレクリエーションがすごく活動的なので、脳が活性化されるみたいですね。

院長

ひょっとしたら、薬よりも効くかもしれないと思うくらいです。顔の表情が変わってくるし、話の内容も変化して、暗い話しかしていなかった人が、物事をすごくはっきりと前向きに話すようになります。

松本

それはみんなで刺激的な時間を共有しているからでしょうね。
長尾台診療所 デイケアセンターは、認知症の集中リハビリテーション施設としての認定も受けています。ここはレクリエーションがすごく活動的なので、脳が活性化されるみたいですね。

山田

長尾台診療所やデイケアセンターが隣にあって、居宅介護支援センターとよく連携しているだけでなく、ケアマネージャーがデイケアにおられるご利用者様の様子を毎日観察できますし、看護師さんやヘルパーさんとの間で「ご利用者様が今日熱が出ているので、ご家族に連絡してください」といった情報をいつも共有しています。他の居宅介護支援センターではなかなか、そうした細かい健康状態までケアマネージャーに連絡はしてくれません。ですからご利用者様の健康管理をどうすればよいかをみんなで相談する機会が長尾台診療所 デイケアセンターなら多いんですね。

松本

月に1度は、カンファレンスを開いて全員で情報を共有していますしね。
結果として、それまで病院に入院していてすっかり認知症が進んでしまって歩けなかったような方で、長尾台診療所 デイケアセンターに通いだされたときには車いすを使っておられたのに、日に日によくなって手引きで歩けるようになり、ご自分でご飯も召し上がられるようになって、だんだん伝い歩きができるところまで回復されている患者様がいらっしゃいます。体力がついてこられたのですね。

院長

ここのデイケアセンターに来られて、みんな自分で自分のことをやっているのをご覧になって刺激を受けられて、「自分もやらなきゃ」というお気持ちが芽生えてくるんでしょうね。

河田

居宅介護支援センターは、皆さまの自立をお手伝いすることを目標にしています。
デイケアセンターに来られた方で、病院では胃瘻から流動食の注入が行われていたのですが、今ではご自分のお口で食事されている方もいらっしゃいますよ。
認知症の方の場合は、ご家族様の負担が非常に大きいわけですが、デイケアサービスをご利用になられることによって、ご家族様の精神的・肉体的なご負担が軽減されます。そうするとご家族様はお気持ちに余裕が出てきますので、にこやかな表情で、穏やかにご利用者様に接することができます。それがまた、症状の改善につながるという好循環ですね。

地域の介護相談やお困りごとは、私たちケアマネージャーにお任せください!

松本

居宅介護支援センターは中立な立場で、ご利用になられるデイケアセンターを選択していますが、長尾台診療所 デイケアセンターは送迎エリアがとても広いという特徴があります。京田辺市や精華町まで送迎費無料で高速道路を使って送迎しています。これには私は最初すごくびっくりしました。

院長

まあ、私のモットーは「ご利用者様からのご要望があれば、それには基本的にすべてお応えする」ということですから。
もし長尾台診療所 デイケアセンターで症状が急変したとしても、われわれドクターがいますからすぐ対処できますし、救急車で搬送するにしても、大病院に患者様の情報を全てお伝えする事ができますから、われわれクリニック側も安心して患者様の受け渡しが出来ます。

山田

居宅介護支援センターとしては、大阪府枚方市、交野市、寝屋川市、京都府京田辺市、八幡市等のこの地域のみなさんの介護相談や、お困りごとをみんな拾い集められるように努力していきたいと思っています。

松本

山田さんはベテランケアマネージャーなので、わからないことは聞けば何でも教えてくれます。河田さんは広い地域のことをご存じです。私たち居宅介護支援センターのケアマネージャーは情報を交換し合いながら、どんなケースにも対応できる点に特徴があると思います。

河田

それと、介護にあたり、ご本人様やご家族様の困っておられるお気持ちに共感する姿勢は強く持っています。私たちは、介護サービスを望むこの地域(大阪府枚方市、交野市、寝屋川市、京都府京田辺市、八幡市等)のみなさまのご要望に、常に誠意をもって対応させていただいております。

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