長尾台診療所の内科では以下のような幅広い病気を診療しています。
どんなささいなことでも結構です。健康上気になることがあれば、いつでもご相談下さい。
もし手術などの高度な治療が必要な場合は、責任をもって大病院にご紹介いたします。内科だけではなく、眼科や耳鼻科(花粉症等含む)、皮膚科、整形外科も含めた幅広い領域について、患者さまの利便性を考えてカバーいたします。
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日・祝 |
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8:30〜12:00 17:30〜20:00 |
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【休診日】
長尾台診療所(胃カメラ・大腸カメラ以外の部分);年末年始(12/31午後診(午前診はあり)〜1/3)
胃カメラ・大腸カメラ:年末年始(12/31〜1/3)
【休館日】
デイケアセンター:日曜日、年末年始(12/31〜1/3)
居宅介護支援センター:日曜日、年末年始(12/31〜1/3)
対象となる疾患
- かぜ(風邪、感冒)・インフルエンザ
- 新型コロナウイルス感染症
- 高血圧
- 高脂血症(脂質異常症)
- 糖尿病
- 痛風・高尿酸血症
- 腰痛・肩こり
- 花粉症・アレルギー性鼻炎
- 骨粗しょう症
- 甲状腺機能障害
- 頭痛(片頭痛・筋緊張性頭痛等)
- めまい
- 外傷・骨折・捻挫・やけど(火傷)
- うつ病・不眠症
- 禁煙薬(チャンピックス)
- 漢方処方
- アルコール依存症
- 不整脈
- 心不全
- 心筋梗塞・狭心症
- ヘルペス・帯状疱疹
- 更年期障害
- 気管支喘息
- 膀胱炎・腎盂腎炎
- 急性胃腸炎・食中毒
- 認知症(物忘れ・痴呆症)
- にきび(尋常性ざ瘡)
- アトピー性皮膚炎
- 尿路結石
- 脳梗塞
- 前立腺肥大症
- 便秘
- 水虫(白癬)
かぜ(風邪、感冒)・インフルエンザ
風邪の症状である咽頭痛、全身倦怠、発熱などには、総合感冒薬や抗生物質、消炎鎮痛剤などを使って治療します。症状がひどい場合は点滴を行います。
新型コロナウイルス感染症(SARS-CoV-2ウイルスによる感染症、COVID-19)
当院では検査精度等を考慮し、PCR検査を行っております。検査結果は1~2日後に出ます。ご希望の方はまず医師による診察が必要ですので、直接ご来院下さい。
高血圧
高血圧の方には、ARBという血圧降下剤や利尿剤との合剤、カルシウム拮抗剤などを処方します。
高脂血症(脂質異常症)
コレステロール値が高い方には、食事療法や運動療法を指導しますが、急ぐ場合は薬を処方します。
糖尿病
内科健康診断で、「血糖値異常で糖尿病の恐れがある」として来られる方がほとんどです。血液検査を行って糖尿病かどうか診断します。
痛風・高尿酸血症
採血検査によって尿酸値を測ることで痛風の診断を行います。「足の関節が痛い」という自覚症状で気付かれる方もたくさんおられます。
腰痛・肩こり
腰痛・肩こりはいろいろな要素が重なっていると考えられます。60歳以上の女性の方は骨密度を正確に測定する機械がありますから、診断がつけば骨粗鬆症の薬を処方します。
花粉症・アレルギー性鼻炎
春にはスギ、ヒノキが、秋にはヨモギ、ブタクサ、スギ等が花粉症の原因と言われています。当院では薬の内服治療等を行います。
骨粗しょう症
当院ではX線を使って骨量を正確に測ることができます。治療は内服や注射による内科的治療を行います。
甲状腺機能障害
若い女性に多い甲状腺機能亢進症であるバセドウ病や、中年以上の方に多い甲状腺機能低下症である橋本病があります。
頭痛(片頭痛・筋緊張性頭痛等)
片頭痛(偏頭痛)、肩こりからくる筋緊張性頭痛など、さまざまな種類があります。そのため症状を見ながら、最適な処方をします。
めまい
内耳の耳石、低血圧、貧血からくるめまいもあれば、ごく希にですが頭部に腫瘍があるケースもあります。さまざまな要因をきちんとチェックします。
外傷・骨折・捻挫・やけど(火傷)
ひどいけがの場合は縫合します。そうでなければステリストリップ(ステリテープ)で傷を寄せるように処置します。
うつ病・不眠症
身体のだるさやしんどさ、「外出したくない」などの症状は、うつ病のスタート地点。当院では薬も処方しますが、患者さんのお話をよくうかがう様にもしています。
禁煙薬(チャンピックス)
禁煙補助薬チャンピックスを処方しております。当院では施設基準を満たしているため、保険診療を受けて頂くことが可能です。
漢方処方
漢方薬とは複数の生薬(天然物)を組み合わせた薬で、それぞれの生薬が多くの有効成分を含んでいる為、色々な症状をもった慢性的な病気や全身疾患に効果を発揮します。
アルコール依存症
アルコール依存症は医療機関で治療が必要な病気です。当院では内科的に断酒補助薬による治療を行います。
不整脈
心臓の脈の打ち方が乱れる不整脈。軽度なものは生活習慣の改善、薬を用いた治療、ペースメーカーなど、要因にあわせて処方を行います。
心不全
心臓の機能不全が起こり、息が切れる、むくみが起こるなどの症状が表れます。薬による治療を行うことで、心臓が楽に動けるようにします。
心筋梗塞・狭心症
心筋梗塞は突然死の原因にもなり得る恐ろしい疾患で、狭心症はその一歩手前の状態です。カテーテルを用いて治療したり、手術となることもあります。
ヘルペス・帯状疱疹
体の左右どちらかの神経の流れに沿って、帯状に痛みを伴う赤いブツブツとした発疹や水ぶくれなどがたくさん出てきます。内服、点滴にて治療します。
更年期障害
更年期になり卵巣の機能が低下し、女性ホルモンの分泌が急激に減少することにより、体や自律神経、精神状態にも不調が起こります。
気管支喘息
ハウスダスト、ペットの毛、ダニなどがきっかけとなって、気管支に炎症が起こる疾患です。吸入や内服薬等の治療を行います。
膀胱炎・腎盂腎炎
膀胱が炎症を起こす病気で、細菌が逆行性に腎臓にまで感染を起こすと腎盂腎炎となります。抗生剤によって治療します。
急性胃腸炎・食中毒
主にウイルス性と細菌性がありますが、寄生虫による感染、薬の摂取、殺虫剤など毒性を含む化学物質が原因で起こる胃腸炎もあります。
認知症(物忘れ・痴呆症)
脳の神経細胞が破壊・減少し、日常生活が正常に送れない状態になる認知症は、薬で進行を遅らせたり、症状を軽くしたりできる場合があります。
にきび(尋常性ざ瘡)
にきびは塗り薬や抗生剤の内服で治療します。痕を残さないために早く炎症を抑えることが必要なので、早めに受診することが大切です。
アトピー性皮膚炎
増悪と軽快を繰り返す痒みある湿疹で、 多くの場合はアトピー素因を持っています。塗り薬や薬の内服で治療します。
尿路結石
尿路で体に不要になった物質が集合し、石のようになった状態のことです。激しい痛みや高熱が出たり、腎機能が低下したりすることもあります。
脳梗塞
脳内の血管が細くなったり、血栓ができて血管が詰まってしまい発生する症状です。脳の神経細胞が壊死してしまい、さまざまな障害が生じます。
前立腺肥大症
前立腺が大きくなることで尿道や膀胱を圧迫し、排尿障害を起こす疾患です。薬の内服にて様子を見ますが、改善が認めない場合は手術することもあります。
便秘
慢性便秘が続く方、急に便秘となった方は、一度大腸カメラにて大腸がん等がないかどうかチェックされたほうがいいケースもあります。
水虫(白癬)
白癬とは白癬菌というカビによって生じる感染症で、足にできる白癬「足白癬」は俗称「水虫」と呼ばれています。塗り薬や飲み薬で治療します。
風邪症候群は鼻からのどまでに急性の炎症が起こる病気を総称して呼びます。炎症がその下の気管や気管支、さらにその先の肺にまで広がる場合もあります。男女や老若を問わず、あらゆる年齢層が発症し、健康な人の大半が罹患するごくごく一般的な疾患です。自覚症状としてはくしゃみや鼻水や鼻づまりなどの鼻症状や、喉の痛みなどの咽頭症状が多いです。咳やたんなどの症状や、発熱や頭痛、全身の倦怠感を感じる人もいます。空気中に浮遊しているウイルスなどの病原体が気道内に入って、気道の粘膜に付着し、侵入したり増殖することが原因です。病原体が侵入しても、実際に風邪症候群を発症するかどうかは環境や感染した人の免疫力などの要因によって左右されます。かぜを早く治すためには、睡眠を十分とり安静にしてください。予防には、手洗い、うがいはとても効果があります。家族にうつさないために、マスクをすることをおすすめします。
インフルエンザとはインフルエンザウイルスによって発症する感染症のことです。インフルエンザウイルスは構造の違いでA型・B型・C型の3種に大きく分けられ、そのうち主にA型とB型のウイルスが冬場に大きな流行を起こします。B型はA型の流行が終息する春先に流行することが多いです。感染経路としては、感染者の咳やくしゃみで周りに飛び散った飛沫を吸い込む飛沫感染のほか、手や物に付着したウイルスで感染する接触感染があります。潜伏期間(ウイルスに感染してから発症するまでの期間)は1~4日程度(平均すると約2日)で、特にA型で強い症状が出やすいです。小児や高齢者では重症化することがあり、インフルエンザ脳炎などの合併症が起こることもあります。
新型コロナウイルス感染症(SARS-CoV-2ウイルスによる感染症、COVID-19)の検査に関して、PCR検査や抗原検査が感染症法に基づく行政検査となり、検査料が無料となります。
対象者は
①医師の診断により新型コロナウイルス感染症が疑われる方
②新型コロナウイルス感染者との濃厚接触者
③地域の感染状況や患者のエピソードから総合的に判断し、医師が必要と認めた者 等です。
当院では検査精度等を考慮し、PCR検査を行っております。検査結果は1~2日後に出ます。
ご希望の方はまず医師による診察が必要ですので、直接ご来院下さい。予約は要りません。
検査料自体は無料となりますが、その他、初診料等がかかりますので、必ず健康保険証をご持参ください。
健康保険証がない場合は自費扱いとなりますので、3万円程度かかって参ります。
また、PCR検査陰性証明書(日本語・英語)も発行可能です。日本語証明書:2000円、英語証明書:3000円です。
抗原検査も当院では可能ですが、感度が低く陽性が出にくいため(検査の精度が低く)、これのみでは新型コロナウイルス陰性と確定診断できません(陽性とは確定診断できます)。抗原検査で陰性の場合は、更なる精査が必要な時は追加でPCR検査をする必要があります。このため、PCR検査が可能な方には最初からPCR検査を行います。ただ、PCR検査は結果が出るまでに1~2日かかるため、重症で急変する可能性があり、即時の診断が必要な患者様には、5分で結果の出る抗原検査を行います。こちらも健康保険証がない場合は自費扱いとなりますので、1万5千円程度かかります。
また、新型コロナウイルスワクチンの接種者の増加に伴い、抗体検査へのお問い合わせを多数いただいておりますため、当院では新型コロナウイルス抗体IgG定量検査を行っております。IgG抗体とは、ワクチンを接種した後に体内に出来る物質で、ウイルスや細菌等の外敵から身を守る働きがあります。多ければ多いほど感染を起こしにくく、また感染したとしても軽症ですむ可能性が高まります。また、この抗体は一度、新型コロナウイルスに感染した場合にも体内で産生されます。つまり、この新型コロナウイルス抗体IgGの血中濃度を調べることにより、
①ワクチンを接種した後、本当に体内に抗体が出来ていて、新型コロナウイルスに感染しにくい状態となっているか?
②今まで新型コロナウイルスに感染したことがあるか(ワクチン接種していない場合)?
等の事が分かります。当院で測定するのは新型コロナウイルスのSタンパク質(ウイルスの表面にある特徴的な突起を形成するスパイクタンパク質)の受容体結合ドメイン(RBD)に対する血清中のIgG抗体量です。この検査は研究試薬での測定となり、自費扱いとなりますので4000円程度かかります。結果は数日後に出ます。
現在、枚方市において新型コロナウイルス感染者の急増により、保健所から患者様へのご連絡が遅れており、1週間たっても連絡が来ない状況となっております。連絡をお待ちいただいている間に、枚方市サイト「新型コロナウイルスに感染していることが分かったら」 https://www.city.hirakata.osaka.jp/0000034787.htmlをご参照ください。今後の流れや、療養・入院についての説明、パルスオキシメーター・配食・衛生用品支援サービスの案内、等が書かれています。これらを参考に保健所からの連絡をお待ちください。また、感染している事が分かりますと、同居されているご家族や、濃厚接触している可能性のある方は全てPCR検査を受ける必要があります。現在、感染者数が爆発的に増加しており、保健所からの連絡が遅くなっているため、保健所からの連絡を待たずに周囲の方々も全て積極的にPCR検査を受けるよう、厚労省より指示が出ております。また、感染されていて保健所からの連絡待ちの間に、発熱、息切れ、体のだるさ等の症状があり、内服薬をご希望の方はご連絡いただけましたら、状況をお聞きして薬を処方いたします。急変時や、ご心配なことがございましたら、何でも当院までお電話下さいませ。出来うる限り対応いたします。
また、現在新型コロナウイルス感染症(SARS-CoV-2ウイルスによる感染症、COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)にて、感染者数がコントロールされず、日本でもデルタ株が主流となり、入院したくても入院できない患者様が多数おられます。これらの方は、自宅療養・宿泊療養(ホテル療養)にて隔離されてしまうことになりますが、この感染症は急変する事が特徴なため、医療関係者や保健所等のサポートが間に合わず亡くなられる方もおられます。そうでなくても、息苦しい、まるで溺れてるようだ、今まで生きてきた中で一番苦しい、との声もあるように酸素化が不十分なまま、入院も出来ずに自宅療養を続けざるを得ない方が多数出てきております。このため、当院では新型コロナウイルス感染症の症状緩和・治療に効果がある可能性があるとされる、イベルメクチン(ストロメクトール)をご用意いたしております。この薬は、本来寄生虫に対する薬物ですが、新型コロナウイルス感染症に対しても「効果あり」の臨床試験データが相次いで提出され、日本でも臨床試験を開始した興和は年内の承認を目指しています。イベルメクチンは寄生虫症に対しての使用時には高い安全性を示しており、新型コロナウイルス感染症に対して使用してもおそらく安全であろうことは予想できますが、適応外処方となるため、副作用や健康被害が起きても国からの補償等はございません。その点をご理解いただいたうえで、患者様の同意のもと、処方いたします。また、治療だけではなく、新型コロナウイルス感染症曝露後に、ご自身が感染しない様、予防投与としても使用できます。
朝日新聞 https://www.asahi.com/articles/ASP716D2CP71ULBJ002.html
読売新聞 https://www.yomiuri.co.jp/choken/kijironko/cknews/20210427-OYT8T50019/
東京都医師会 https://www.tokyo.med.or.jp/wp-content/uploads/press_conference/application/pdf/20210309-5.pdf
FLCCC alliance https://covid19criticalcare.com/ja/
治療に関して当院では抗体カクテル療法(抗体治療・中和抗体薬投与)(ロナプリーブ)を外来診療にて開始いたします。ロナプリーブは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による感染症に対する治療薬です。SARS-CoV-2 に結合する「カシリビマブ」と「イムデビマブ」という2種類の抗体を混ぜ合わせて使用します。SARS-CoV-2 に2種類の抗体が結合することで、SARS-CoV-2 の増殖を抑制すると考えられています。海外臨床試験成績の速報値において、この薬剤はプラセボ(偽薬)と比較して、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)による入院または死亡のリスクを70%低下させました。ロナプリーブは 30 分程度かけて点滴で1回投与する薬剤で、投与後1時間の状態観察が必要です。ただ、この薬剤は非常に高価で、世界的なウイルスの流行に伴い、日本での流通量も限られているため投与できる患者様には制限があります。
①症状発現(発熱・咳等)から1週間以内に投与(無症状の方には投与出来ません)
②酸素投与を要しない方(酸素飽和度SpO2≧94)
③重症化リスク因子を1つ以上持っている方(●50 歳以上 ●肥満(BMI 30kg/m2以上) ●心血管疾患(高血圧を含む) ●慢性肺疾患(喘息を含む) ●1 型又は 2 型糖尿病 ●慢性腎障害(透析患者を含む) ●慢性肝疾患 ●免疫抑制状態(例:悪性腫瘍治療、骨髄又は臓器移植、免疫不全、コントロール不良の HIV、AIDS、鎌状赤血球貧血、サラセミア、免疫抑制剤の長期投与))
これら3つをすべて満たす方です。
薬剤投与をご希望の方は
TEL:072-859-3616
に診療時間内にお電話にてご予約下さい。薬剤確保が必要となりますので、ご予約が必須です。
なお中外製薬は、無症状の方や予防薬としても投与できるよう、また皮下注射にての投与も可能な様、適応拡大申請を行っております。薬剤が十分量確保できるようになれば、適応拡大されるかもしれませんが、まだ少し先の話になるかもしれません。
中外製薬 https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20211011170001_1146.html
急変時や、ご心配なことがございましたら、何でも当院までお電話下さいませ。出来うる限り対応いたします。
体を動かしたり寒さを感じたりしたときの一時的な血圧上昇とは違い、安静時でも慢性的に血圧が高い状態が続いていることを高血圧症といいます。収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上の場合をいい、どちらか一方でもこの値を超えていると高血圧症と診断されます。自覚症状がほとんどなく、放置してしまうと心疾患や脳卒中など生命を脅かす病気につながるため「サイレント・キラー」といわれています。塩分の取り過ぎや肥満、ストレス、運動不足など生活習慣による要因、体質などの遺伝的要因のほか、腎臓疾患やホルモン異常などの病気によって引き起こされることもあります。高血圧症の患者は推定で4300万人とされ、非常に多いです。
血液中の中性脂肪やコレステロールなどの脂質の代謝が正常でない状態のことをいいます。従来は中性脂肪値が高い、もしくはLDL(悪玉)コレステロール値が高い状態を「高脂血症」と呼んでいましたが、HDL(善玉)コレステロール値が低い状態も同様に問題があるとして、2007年からはこれら3つの状態を「脂質異常症」と呼ぶように改められました。自覚症状がないことから、この状態を放置する人も少なくありませんが、脂質が増えると血管の内側にたまり動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などの深刻な病気を引き起こしかねないため、早期改善が求められます。
血液中の血糖値が慢性的に高い値を持続する疾患です。内科健康診断で、「血糖値異常で糖尿病の恐れがある」として来られる方も多いです。夜間頻尿やのどの渇き、やせてきたなどという自覚症状が出てくるころには、かなり重症の可能性があります。大きく1型糖尿病と2型糖尿病に分かれており、1型糖尿病はインスリンをつくる膵臓の細胞が障害されることで起こるため、インスリン依存型とも呼ばれます。2型糖尿病では、食べ過ぎ・飲み過ぎや運動不足、ストレスなどにより膵臓の働きが弱まったり、インスリンの働きを阻害する物質が体内にたまることによって発症します。遺伝的要素も大きく、家族に糖尿病患者がいる場合に発症する可能性が高いといわれています。そのため、2型はインスリン非依存型とも呼ばれます。日本の糖尿病患者の大多数は2型だといわれています。網膜症・腎症・神経障害の三大合併症や動脈硬化症を伴うこともあり、注意が必要です。
体内で尿酸が過剰になると、関節にたまって結晶化し、炎症を引き起こして腫れや痛みを生じる病気です。風が患部に吹きつけるだけで激しい痛みが走ることから痛風と名づけられたといわれています。尿酸はプリン体が体内で分解されてできる物質で、血液中の尿酸の濃度が高くなり、7.0mg/dlを超えると高尿酸血症の状態となります。この状態が長く続くと関節の中で尿酸が結晶化し、これを白血球が処理する際に炎症を引き起こします。医療の進歩により、薬も開発されており、正しい治療を行えば、これまで通りの健康な生活を送ることができます。しかしながら、放置してしまうと、関節の激痛を繰り返し引き起こしたり、体の至る所に結節ができたり、腎臓に影響を及ぼしたりしてしまう病気です。
腰痛・肩こりの患者様も多いです。いろいろな要素が重なっていると考えられます。筋膜炎による痛みがほとんどだと思われますが、中には骨粗しょう症からくる場合も考えられます。60歳以上の女性の方は骨密度を正確に測定する機械がありますから、診断がつけば骨粗鬆症の薬を処方します。
当院はリハビリ科がありますから、内科的治療だけではなく、物療室にあるリハビリ機器やマッサージで、症状を改善していただくこともできます。
また腰椎保護ベルトやサポーターを作成することも可能です。
腰痛持ちの方は、日常生活の中であまり前かがみになったり、気張ったりしないように、くしゃみをするときにも気をつける必要があります。無理な体勢をとらず、正しい姿勢で過ごすことが大切です。またベッドを柔らかくしすぎないように気をつけてください。
最近非常に増えています。春にはスギ、ヒノキが、秋にはヨモギ、ブタクサ、スギ(最近は春ほどではないにしろ、秋にもスギ花粉が飛散していることが分かっています)等が花粉症の原因と言われています。また、ダニ、ハウスダスト、ペットの毛、カビ、フケ、黄砂(最近非常に多いですね)等が原因で季節を問わずアレルギー性鼻炎が起こります(黄砂だけは春に多いです)。花粉症に関しては鼻水やくしゃみ等の症状が出てから薬の内服を開始すると、薬の効果が落ち、効きが悪くなりますので、症状が出る1ヶ月前より内服を開始するのが良いと言われています。春なら2月くらいでしょうか。少し早すぎるかな?というくらいが丁度いいのです。2月にはすでにスギ花粉も飛散し始めています。当院では内科的治療(薬の内服治療等)を行います。
また、2014年よりスギ花粉による花粉症の根治を目指した薬(減感作療法,舌下免疫療法)が保険適応となり、当院でも処方可能です。これは花粉症のワクチン(予防接種)のようなもので、毎日、スギ花粉エキスを舌下に入れることによりスギ花粉への耐性を作り、花粉症の症状を軽減~根治にまで持っていく画期的な薬です。7~8割の方は症状が軽くなるかほとんどなくなるようですが、数年は薬を飲み続けないといけません。忍耐強く薬を飲み続けることが必要です。ただ、私のように花粉症の症状がひどい人には本当に朗報で、私も内服しています。
骨の量が減ることで骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。人間の骨は健康な状態を維持するため、成長期を終えても常に新しく作り替えられています。この骨の新陳代謝のバランスが崩れると骨が弱くなり、骨粗しょう症になる危険が高まります。閉経後の女性に多くみられ、日本では約1000万人以上の患者がいると推定されていますが実際に治療を受けている人はまだ少数です。そのため気づかないうちに骨折していたり、骨折から生活の質が低下したりすることもあります。女性の病気というイメージがありますが、患者の4人に1人は男性です。男性の場合、治療を行わずにいると重症化しやすく、骨粗しょう症を原因とした大きな骨(腰椎や大腿骨など)の骨折を起こすことが多いです。早い時期に正確な診断と適切な治療を受けることが大切です。当院ではX線を使って、「年齢に対して何%くらいの骨密度であるか」を正確に測定することができます。60歳以上の方は測定されることをおすすめします。
若い女性に多い甲状腺機能亢進症であるバセドウ病や、中年以上の方に多い甲状腺機能低下症である橋本病があります。
甲状腺機能障害には、若い女性に多い甲状腺機能亢進症であるバセドウ病や、中年以上の方に多い甲状腺機能低下症である橋本病があります。血液検査で甲状腺ホルモンを測定すれば診断できます。バセドウ病は手の震え、体重減少、下痢などの症状を伴います。内科的に薬を使って治療します。
橋本病は顔のむくみ、脱毛、便秘などの症状を伴います。甲状腺ホルモンを内服薬によって補充します。
甲状腺腫瘍が発見された場合は、大きな病院へご紹介します。
首の周りに異常を感じられた場合には、ぜひ来院されて検査を受けられることをおすすめします。
片頭痛(偏頭痛)、肩こりからくる筋緊張性頭痛など、さまざまな種類があります。
片頭痛とはこめかみから目のあたりが、ズキズキと心臓の動きに合わせるようなリズムで痛むのが特徴です。吐き気や嘔吐を伴い、光・音・気圧や温度の変化に対して敏感になることも多いです。個人差がありますが、1ヵ月に1~2度、多い人だと1週間に1度などのペースで周期的に痛みが起こり、体を動かすことで痛みが増すため、日常生活に支障を来たすこともあります。原因ははっきりと解明されていませんが、脳の血管を取り巻く三叉神経の炎症が関わっていると考えられています。20代~40代の女性に多く、生理前から生理中にかけて頭痛が起こりがちであるため、女性ホルモンとの関係性も疑われているが、男性にも起こります。
緊張型頭痛は過度の緊張やストレスなどが関連しているとされる頭痛の総称で、他の疾患を原因としない慢性頭痛の中で、もっとも一般的で患者数が多いです。頭全体、もしくは後頭部から首にかけて締めつけや圧迫感があり、拍動感(ズキズキする感じ)はないことが特徴です。精神的なストレスのほか、一定の姿勢を長時間継続すること、疲労による筋肉の緊張、血管の圧迫などによって発症します。患者は中高年に多いですが、パソコンの使用頻度が高い若年層にも増えています。片頭痛と合併することもしばしばです。
一般に「めまい」と言われるものには、さまざまな症状があります。天井や自分の周囲がぐるぐる回る、体がぐらぐら、ふわふわした感じ、気が遠くなりそうな感じ、目の前が真っ暗になる感じ、物が二重に見える、などです。立ち上がったときに目の前が暗くなるような場合は「立ちくらみ」と呼ぶこともあります。このような「めまい」の原因になる病気は一つではありません。代表的なものは、耳の奥の内耳という部分にある、体の姿勢を保つ器官が何らかの異常を来して起きる内耳性のめまいです。中高年の人が起床時や寝返りを打ったときによく起きるのが良性発作性頭位めまい症で、耳石器から剥がれた耳石が三半規管内を浮遊していることが原因です。また、30~50歳代に多いメニエール病は、内耳を満たしている内リンパ液が過剰にたまる「内リンパ水腫」が原因とされています。また、脳卒中や心臓疾患、低血圧など血管の病気、脳・神経の病気、薬、外傷などが原因になることもありますから、原因に応じた治療を行うことが重要です。
けがをした場合に駆け込んで来られる患者様もたくさんいらっしゃいます。傷がひどい場合は縫合します。そうでなければステリストリップ(ステリテープ)で傷を寄せるように処置します。
転んで傷がついた場合、砂を払った程度で放置しておくと、化膿するケースが少なくありません。当院では抗生物質によって化膿を防ぎますから、安心していただけます。悪化すると面倒なので、小さな傷でも来院されることをおすすめします。
骨折、捻挫が疑われる場合はレントゲンを撮り、実際に骨折を認め、手術等処置が必要な場合は大病院をご紹介いたします。
また、やけど(火傷)による水膨れとなっている方もおられますので、化膿しないように処置、投薬にて治療します。
身体のだるさやしんどさ、「仕事に行きたくない、外出したくない」といった症状は、うつ病のスタート地点です。他のクリニックで、抗うつ剤を処方されていた患者さんも少なくありません。抗うつ剤は非常に効果的ですが、食欲が増すという副作用もあります。
当院では薬も処方しますが、患者さんのお話をよくうかがう様にもしています。自分の思っていることを話していただければ、心が浄化されて具合がよくなるようです。人と話をするのはうつ傾向のある人にとって、とても大切なことのようです。
また、不眠症になると、夜寝つきが悪い、眠りを維持できない、朝早く目が覚める、眠りが浅く十分眠った感じがしないなどの症状が続きます。
日本においては約5人に1人が、このような不眠の症状で悩んでいるとされ、20~30歳代に始まり加齢とともに増加し、中年、老年と急激に増加します。また、男性よりも女性に多いといわれています。
このような不眠症の患者様にも症状をよくお聞きして、適切な処方を心がけています。
当院では、禁煙補助薬チャンピックスを処方しております。
ファイザー製薬が開発したこの飲み薬は、ニコチンの作用を阻害することによって、タバコを吸ってもおいしくなくなる、それどころか気持ち悪くなってしまうようにして、タバコを吸いたくなくしてしまうという薬です。
しかしこの薬を使って禁煙に成功するかどうかについて、一番大事なのは、ご本人の禁煙に対する固い意思だといえるでしょう。禁煙する意思もないのに薬を飲むことで禁煙できるということはありません。
結婚前とか、お子さんができる前といった、切羽詰まった状況で禁煙を始める人は、この禁煙補助薬によってタバコを止めることができるようです。
費用については、当院では施設基準を満たしているため、保険診療を受けて頂くことが可能です(12週間治療を受けられた場合、当院では保険診療で2万円程度となります)。
漢方薬とは複数の生薬(天然物)を組み合わせた薬で、それぞれの生薬が多くの有効成分を含んでいる為、1処方でも様々な作用を持っています。そのため、色々な症状をもった慢性的な病気や全身疾患に効果を発揮します。防風通聖散は便秘を改善すると同時に、代謝を促進させ、脂肪燃焼を促進します。これが肥満症、ダイエットに効果があります。医療用医薬品の防風通聖散には市販の防風通聖散に比べて2倍の成分が含まれているため、効果が高く、安価です。また、更年期障害等にも漢方処方もあります。
アルコール依存症とは、お酒の飲み方(飲む量、タイミング等)を自分でコントロールできなくなった状態のことで、飲むのはよくないことだとわかっていても、飲酒をやめられなくなります。その意味では、アルコールは麻薬や覚せい剤と同様の依存性の薬物の一種だともいえます。またアルコール依存症は患者さん本人の意思の弱さによって起きるものではなく、医療機関で治療が必要な病気であるともいえます。
治療としては内科的に断酒補助薬による治療を行いますが、各地にある断酒会にも参加された方がいいですし、ご家族の協力も必要不可欠と言えます。
健診にて引っ掛かることも多く、また、動悸を主訴に来院されることもあります。心臓の脈の打ち方が乱れることを不整脈と呼び、通常よりも脈が速くなる「頻脈」や、反対に脈が遅くなる「徐脈」、また脈が途中で飛ぶ「期外収縮」と呼ばれるものなどがあります。病気によるものと、生理的な現象で病気ではないものがあり、疲労やストレス、加齢などの要因でも不整脈が出ることもあります。少数の期外収縮など、危険性の低い不整脈は多くの健康な人にも出ています。検査としては通常の心電図検査のほか、24時間心電図を装着し、脈を観察するホルター心電図検査等があります。治療としては、軽度な不整脈だと、禁煙や禁酒、運動、栄養、睡眠など生活習慣の改善などで症状が治まることも多いですが、様々なタイプの薬を用いて治療したり、ペースメーカーを埋め込んだりすることもあります。
心不全とは心臓の動きや機能に異常が起こって、心臓の機能不全が起こり、ポンプの役割を果たせなくなって息が切れたり、むくみが起こったりする病気です。原因としては心筋梗塞や狭心症、高血圧等の心血管系の病気のことも多いですが、その他風邪や過労などの不調、ストレス、貧血が原因となることもあります。症状としては足のむくみ、それまで問題なかった坂道や階段での息切れや動悸、食欲不振やだるさ、疲労感等があります。治療では薬によって高血圧や貧血を改善させ、心臓の負担を減らし、心臓が楽に動けるようにします。
心筋梗塞とは日本人の死亡原因の上位に挙げられている疾患で、突然死の原因にもなり得る恐ろしい疾患の一つです。心臓の筋肉に酸素を送る冠動脈が動脈硬化で硬くなり、心筋に血液を送ることができない状態になることで、心筋が酸素不足となり壊死を起こしてしまう状態です。また、狭心症とは心筋梗塞の一歩手前の状態の事を言います。心筋梗塞になると胸をえぐられるような強烈な痛みを突然左胸に感じ、その痛みは約20分以上続きます。一度心筋の細胞が壊死すると二度と元の状態に戻すことができないため、迅速で的確な処置が必要となります。カテーテルを用いて治療したり、手術となることもあります。
子どもの頃に感染した水ぼうそうと同じ水痘・帯状疱疹ウイルスが、疲れやストレスなどの影響で体の免疫力が下がったときに再び活動を始めることによって起こる病気です。通常、体の左右どちらかの神経の流れに沿って、帯状に痛みを伴う赤いブツブツとした発疹や水ぶくれなどがたくさん出てきます。1~2週間ほどで治ることが多いですが、ウイルスによって神経が傷つくことで発疹がひいても痛みのみが長期間にわたって続くことがあります。帯状疱疹が現れる場所によって、難聴、顔面神経麻痺、角膜炎・網膜炎などの合併症を引き起こすこともあり、注意が必要です。内服、点滴にて治療しますが、帯状疱疹を予防し、発症しても症状が軽く済むようにワクチンを接種することも推奨されています。
更年期とは、閉経前後の45歳から55歳くらいの期間をいいますが、更年期障害の症状としては60代前半くらいまで続く人もいます。女性は一生の間に月経を迎える思春期、月経があり妊娠・出産が可能な性成熟期、月経が終わる更年期、閉経後の高齢期という4つのライフステージがあり、個人差はありますがだいたい50歳前後に閉経を迎える人が多いです。更年期になると卵巣の機能が低下し、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少します。その結果、ホルモンバランスの乱れに体がついていけず、体だけでなく自律神経や精神状態にも不調が起こります。治療としては減少したエストロゲンを2種類のホルモン剤で補うホルモン補充療法(HRT)を行います。その他、漢方薬、プラセンタ等もあります。
ハウスダスト、ペットの毛、ダニといったアレルギー物質などがきっかけとなって、気管支に炎症が起こる疾患です。炎症を起こしている気管支はとても敏感で、健康な人にとっては何でもないホコリやタバコ、ストレスなどのわずかな刺激でも狭くなり、発作を繰り返します。症状は発作的に咳やたんが出て息苦しくなり、呼吸時に「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった音が出る喘鳴(ぜんめい)を伴うこともあります。また胸の痛みや喉の違和感などの症状が現れることもあります。近年は咳喘息(咳だけの喘息)も増加してきています。気管支喘息の発作は夜間や明け方にかけて起こることが多く、また季節の変わり目や気温差が激しいとき、天気が悪いときや空模様が変わりやすいとき、疲れがたまっているとき、風邪をひいたとき、運動の後などにも起こりやすいです。治療は、発作を起こさないための炎症の治療が中心となり、吸入や内服薬等があります。
膀胱炎とは尿をためる役割を果たしている「膀胱」が炎症を起こす病気で、細菌が逆行性に腎臓にまで感染を起こすと腎盂腎炎となります。ほとんどの場合、大腸や直腸などに潜んでいる腸内細菌などが尿道から侵入して、膀胱で増殖することによって起こりますが、薬剤、放射線治療の副作用など、膀胱炎の原因は多岐にわたります。疲れがたまったりして免疫力が落ちると、膀胱の中の細菌の量が増えやすくなり、膀胱炎になりやすくなります。また女性は男性よりも尿道の出口から膀胱までの距離が短く、細菌が膀胱にたどり着きやすいため、膀胱炎を起こしやすいです。抗生剤によって治療しますが、水分を十分に摂取することを心がけて、普段よりもたくさん尿を出すことによって、膀胱で増殖してしまった菌を尿ごと体外へ排出するようにすることも大切です。
胃・小腸・大腸に生じた炎症のことで、大きく分けて、ウイルス性胃腸炎と細菌性胃腸炎があります。ウイルス性は、胃腸に侵入したウイルスが胃腸の働きを悪化させることで、急な嘔吐や下痢などの症状が現れるため、嘔吐下痢症と呼ばれることもあります。主な原因ウイルスはノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどです。特に、ロタウイルスとアデノウイルスによる胃腸炎は乳幼児に多く見られ、秋から冬にかけて流行することが多いです。一方、細菌性は、サルモネラ菌(卵、鶏肉など)やカンピロバクター(豚肉、鶏肉)などの細菌感染によるもので、夏季に発生しやすいです。ほかには、寄生虫による感染、薬の摂取、殺虫剤など毒性を含む化学物質が原因で起こる胃腸炎もあります。
認知症とは、さまざまな原因で脳の神経細胞が破壊・減少し、日常生活が正常に送れない状態になることを言います。認知症にはさまざまな種類があり、脳にあるアミロイドβやタウと呼ばれる特殊なタンパク質が蓄積されることで起こる「アルツハイマー型認知症(通称アルツハイマー)」は中でも最も多いです。その他、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血をきっかけに発症する「脳血管性認知症」、神経細胞にできる特殊なたんぱく質のレビー小体が脳の大脳皮質や脳幹にたくさん集まったことで発症する「レビー小体型認知症」などがあります。認知症は一般的に高齢者が発症することが多いですが、30代の若い人が発症することもあります。主な症状としては、直前の行動を忘れてしまう、覚えていた人や物の名前が思い出せなくなるといった「記憶障害」、自分のいる場所や状況、年月日、周囲の人間との関係性などがわからなくなる「見当識障害」、料理の手順がわからない、服のコーディネートができなくなる、善悪の区別ができなくなるといった「判断能力の低下」があります。またこれらの症状に、個々の性格や環境の変化などが加わることで、徘徊(はいかい)や自分が排泄した便を素手でいじってみたり、周辺になすりつけたりする弄便(ろうべん)、暴力・暴言、幻覚、物盗られ妄想、せん忘、食べ物ではないものを口に入れてしまう異食、失禁・排尿障害、不眠・睡眠障害、うつ症状が起こります。治療としては薬で進行を遅らせたり、症状を軽くしたりできる場合があります。
にきびとは、毛穴の中に皮脂がたまることで起こる皮膚の慢性疾患です。皮脂のたまった毛穴にアクネ菌が増えると、炎症を起こして赤く隆起したり膿がたまったりします。強い炎症から毛穴の周りの皮膚に障害を与えると、瘢痕(はんこん)、いわゆる「あばた」になり残ってしまう場合もあり注意が必要です。思春期がピークで、成人以降は次第に減少していきます。にきびの発生に男女差はほとんどないと言われています。塗り薬や抗生剤の内服で治療します。予防のためには、適度な洗顔や正しい化粧品の選択、バランスの良い食事など規則正しい生活を心がけることが大切です。ニキビができても、自分でつぶしたり、触ったりすることは症状の悪化につながる可能性があり、また痕を残さないために早く炎症を抑えることが必要なので、早めに受診することが大切です。
アトピー性皮膚炎とは、増悪と軽快を繰り返す痒みある湿疹で、 多くの場合はアトピー素因を持っています。アトピー素因とは、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎、アトピー性皮膚炎のうちいずれか、あるいは複数を自分自身や家族がもっている、またはアレルギーと深い関係がある免疫物質であるIgE抗体を産生しやすい体質をもっていることを言います。塗り薬や薬の内服で治療します。アトピー性皮膚炎そのものを完治させうる治療法はないため、治療の最終目標(ゴール)は、症状がないか、あっても軽く、日常生活に支障がなく、薬物療法もあまり必要としない状態に持っていき、それを維持することです。
尿ができ、排出されるまでの経路を尿路と呼びますが、そのどこかで体に不要になった物質が結晶のようになり、これらが集合して石のようになって尿路の中に存在する状態です。結石の多くは腎臓、膀胱(ぼうこう)で作られますが、結石が存在する位置により、腎結石・尿管結石・膀胱結石などと呼ばれます。結石が尿路をふさぐと激しい痛みがあります。また細菌感染が起きると腎盂腎炎となり高熱が出ます。長期間放置すると腎臓に負担がかかり、腎機能が低下することもあります。再発を繰り返す人も多く、その場合には結石の成分を調べることも有用です。高齢の男性や閉経後の女性に多い疾患です。症状のない小さな結石に対しては、通常、治療の必要はありません。痛みはあるが結石が大きくない(1cm未満)場合は、十分な水分摂取と鎮痛薬や結石を出しやすくする薬を使いながら自然に排出されるのを待ちます。結石が1cmよりも大きいなど簡単には体外に出ない場合は、薬物療法だけでなく、体外から衝撃波を与えて結石を砕く「ESWL(体外衝撃波結石破砕術)」、尿道から尿管内に内視鏡を入れて結石を砕く「TUL(経尿道的尿管結石除去術)」、背中から腎臓に穴を開けて内視鏡を挿入し、結石を破砕し直接摘出する「PNL(経皮的結石除去術)」という3つの手術療法を組み合わせて治療を行います。
脳内の血管が細くなったり、血栓ができて血管が詰まってしまい発生する症状です。血管が詰まると血液の流入が止まり、脳に酸素や栄養が行き渡らなくなってしまいます。その結果、脳の神経細胞が壊死してしまい、さまざまな障害が生じます。主な症状としては、左右どちらか半身の手足や顔がしびれたり動かしづらい、ふらつく(歩きづらい、めまいがする)、嘔吐する、しゃべりづらい(ろれつがまわらない、言葉が出てこない)、他人の言うことがわからない、物が見えにくかったり二重に見える、などがあります。突然症状が出るケースがほとんどで、場合によっては一時的に治まることもありますが、時間が経つと悪化することが多いので注意が必要です。脳梗塞は早期に受診できるかが大きな鍵となりますので、症状が出た時点で早急に医療機関へ行くことが何よりも重要です。
前立腺は、男性にしかない生殖器の一つです。膀胱の出口で尿道を取り囲むように存在しており、精子に対して栄養を与えたり、運動能力を高めたり、保護したりする役割のある前立腺液を作っています。また、射精や排尿を調節する働きも持っています。前立腺肥大症は、この前立腺が大きくなることで尿道や膀胱を圧迫し、排尿障害を起こす疾患です。通常はクルミくらいの大きさですが、肥大すると卵やみかんほどの大きさになります。加齢によって男性ホルモンの働きに変化が生じ、性ホルモン全体のバランスが変わることが主な原因ではないかと考えられています。あるデータでは、特に治療を必要としない軽症の人も含めると、50歳で30%、60歳で60%、70歳で80%、80歳で90%の人に前立腺の肥大が見られるとされています。薬の内服にて様子を見ますが、改善が認めない場合は手術することもあります。
便秘の原因は一般的に機能性便秘と器質的疾患による便秘(大腸癌、術後や炎症による狭窄など)とに分けられます。機能性便秘は、腸に明らかな異常を認めず、大腸の機能が低下して起こる便秘のことで、便秘の大多数はこれに相当します。器質的疾患による便秘とは、大腸癌や、術後の癒着による狭窄などにより、腸管が実際に細くなり、便の通過が障害される便秘です。慢性便秘が続く方、急に便秘となった方は、一度大腸カメラにて大腸がん等がないかどうかチェックされたほうがいいケースもあります。
白癬とは白癬菌というカビによって生じる感染症で、足にできる白癬「足白癬」は俗称「水虫」と呼ばれています。白癬菌の栄養源はケラチンというタンパク質の一種で、白癬菌はケラチンが多く存在する皮膚の角質層や毛、爪に感染します。発症する部位によって呼び名が異なり、足白癬(水虫)、爪白癬(爪水虫)、股部白癬(いんきんたむし)、体部白癬(ぜにたむし)、頭部白癬(しらくも)等です。日本では水虫は5人に1人、爪水虫は10人に1人が罹患しているといわれています。塗り薬や飲み薬で治療します。
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